子どもたちが室内でも安全に楽しく遊べる室内あそびはないかな?
また、遊びのねらいや活動のポイントも解説してくれるとありがたい。
こういった、室内あそびの保育ネタで悩んでいる幼児クラス担任、うさぎ保育士の悩みを解決していきます。
この記事を読むことで分かることは以下の通りです。
- 子どもに人気の室内あそびを知れる
- 室内あそびのねらいが知れる
- 活動内容やポイント、注意点が知れる
この記事の筆者は以下の通り。
- 元保育士
- 保育士歴7年
- 2園の保育園を経験
保育士経験が豊富な私が、実体験をもとにお話しするのでかなり信頼できる内容になっています。
0・1歳児の室内あそびについては、【0・1歳児の室内あそび9選】保育士歴7年がねらいも解説を参考にどうぞ。
では早速、本題に入っていきます。
【雨の日でも使える】2・3歳児向けの室内運動あそび2選

2・3歳児は身体を少しずつ上手く使えるようになり、できることも増えてくる時期です。
外で身体を動かせないと0.1歳児よりもストレスが溜まりやすくなります。
ストレスが溜まると、友だちとのトラブルが発生しやすくなったり、クラス内でも落ち着いて過ごせなくなったりします。
家庭でも夜になかなか寝付けなかったり、暴れまわったりなどの悪影響を及ぼすことがあります。
保育園で身体を動かすことで、ストレスが溜まらず園や家庭での生活をスムーズにすることができます。
マット運動あそび【バランス感覚を養う】
戸外遊びができない日が続くと、子どもたちは身体を動かしたくてうずうずします。
そんな時に取り入れていたのが「マット運動」です。
外でも活動できますが、安全面を考慮すると室内で行う方が向いているので雨の日などの室内あそびにうってつけです。
マット運動あそびのねらい
活動準備
マット遊びの流れは以下の通りです。
- 準備運動
- 設定を決める
- マットの上をゴロゴロ転がる
- ほふく前進
- 高這い
- 前転をする
運動の前に、身体をほぐす・気持ちを盛り上げるために軽い準備運動を行います。
活動を始めるときに、シチュエーションを設定するのがおすすめです。
例えば、マットの外は海という設定にします。
「サメがいるから食べられないように、落ちないでね!!」という声掛けをすると楽しみながら、マットから落ちないように気をつけるようになります。
マットの上を転がるときは、頭の上で手のひらを合わせ指先から足先までが一直線になるようにポーズをして、マットの端に寝転がります。
マットから落ちないように、まっすぐ転がれるように意識します。
ほふく前進で進むのは、思ったより力が必要です。
全身を使うことで身体の使い方を遊びながら学ぶことができます。
応用編として、天井を見ながら足の力を使って進むに挑戦しても楽しいです。
高這いは、おしりを上げた状態で進むハイハイのことです。
手の平とつま先で全身を支えながら進むので、手・つま先・肩、肩甲骨まわりの力が身に付きます。
また、4点で身体を支えながら進むのでバランス感覚も身に付きます。
子どもが1人で活動に参加するのは難しいので、保育士が必ず補助に入り身体を支えながら前転の練習をしましょう。
マット運動あそびの注意点とポイント
近くで見守らないと、バランスを崩して顔を打ち怪我をすることがあります。
保育士はいつでも支えられる距離で見守るようにしましょう。
また活動内容によっては、「できない」「こわい」と感じて、嫌がる子どもがいます。
無理強いをすると、子どものトラウマになってしまう可能性もあります。
おしり走【運動機能の発達を促す】
子どもたちは、かけっこや競争が大好きです。
こんなうさぎ保育士の悩みを解決できるのが、「おしり走」です。
スピードは出ませんが、全身を使って進むので満足感もあり珍しい競争に子どもたちも大興奮で参加します。
おしり走のねらい
おしり走の遊び方はシンプルです。
- 手や足を使わずにお尻だけで、前に進む
応用編として、後ろ向きで進むのも楽しいですよ。
おしり走の注意点とポイント
短い距離をおしりだけで進むのは、思った以上に難しいです。
5Mは短いと思うかもしれませんが、意外とちょうどいい距離で、慣れてきたら少しずつ距離を伸ばすとより楽しめます。
また、月齢によってはおしりだけで進むのが難しい子もいます。
そんな時は「手はつくのは✕だけど、足はつかっても〇」など難易度を下げる工夫をしましょう。
【協調性が身につく】2・3歳児向けの集団ゲーム遊び3選

集団あそびは、家庭では経験できない保育園だからできる活動です。
0・1歳児では一人遊びや平行遊びがメインですが、2・3歳児では少しずつ他人に興味を持ち一緒に活動することが増えます。
この時期から集団遊びを活動に取り入れることで、遊びを通して集団での過ごし方や他人との関わり方を学んでいきます。
ここで紹介する集団ゲーム遊びのねらいは共通しているので、初めに紹介します。
集団ゲーム遊びのねらい
ゲームの王道☆椅子取りゲーム
集団あそびの王道といえば、椅子取りゲームです。
椅子取りゲームはルールが簡単なので、2・3歳児にも理解しやすいだけでなく、普段使っている椅子を使うので準備にも時間がかからないので取り入れやすい活動です。
椅子取りゲームの説明内容
「移動中にお友だちを押したり、走ったりしたらどうなるかな?」と子どもに問いかけると「危ない」「怪我する」などの答えが返ってきます。
その意見に共感し「歩かなければならない理由」を伝えるとスムーズです。
また、椅子にこだわりをもったり、自分が座っていた椅子にしか座ったらいけないと思う子どもがいるのでどの椅子に座ってもいいと言うことを伝えましょう。
事前に椅子の外側を通ることを伝えておきましょう。
椅子取りゲームの流れ
- ルールの説明
- 練習をする
- 実際にやってみる
- 結果発表
最初は円になるように椅子を並べ、セッティングをしてからルールの説明をします。
次は、練習をします。ルールを説明しても、実際に活動しないと子どもは理解できません。
まずは数回、椅子を減らさずに動きを覚えるための練習をします。
練習が終わったら、実際に活動していきます。
初めに脱落した子どもの待ち時間が長くなりすぎないように、2・3脚ずつ椅子を減らしましょう。
最近は順位をつけない園も多くありますが、「悔しい気持ち」を大切にしたいので順位を発表していました。
上位3~5名を発表し、ご褒美として”たかいたかい”をしていました。
椅子取りゲームの注意点とポイント
負けると悔しくて泣いてしまう子どもがいます。
「仕方ないから泣かないの!」なんて言葉掛けは絶対にNGです。
「悔しかったね。またするから次は頑張ろうね」など気持ちを受け止めたうえで前向きな声掛けを行うようにしましょう。
また何度か活動を続けていくと、必ず上位になる子どもが決まってきます。
同じ子どもばかりが勝ってしまうと、他の子どもたちは面白くありません。
動かないのって難しい☆だるまさんが転んだ
だるまさんが転んだも王道の集団あそびの1つで、ルールが簡単なのが特徴です。
だるまさんが転んだの「動かずに止まる」という動作が、体幹トレーニングに繋がります。
だるまさんが転んだの活動の流れ
- 保育士が鬼をする
- 練習をする
- グループごとに行う
- 慣れてきたらスピードに強弱をつける
止まるのが難しい子どもが多いので、最初にピタッと止まれる練習をします。
また全員が参加すると怪我やトラブルの原因になります。
グループに分けを行い、環境設定に配慮しましょう。
活動に慣れてきたら、『だるまさんが転んだ』に強弱を付けて速さを変化させることでゲームが盛り上がります。
だるまさんが転んだの注意点とポイント
初めて遊ぶ時は、止まり方やタイミングが分かりません。
保育士が活動に参加したり、お手本を見せたりして遊び方を伝えます。
また、狭い場所で走ると怪我に繋がります。
狭い場所で活動する場合は、「走らずに歩いて近づく」というルールを追加しましょう。
ホールなどの広い場所を用意できれば、小走りで近づいても大丈夫です。
【友達と協力する力を養う】ボール運びリレー
友達とチームを組んで活動しますので、協力し合う力を身に着けることができます。
事前準備もスタートとゴールの場所の床にテープを貼っておくだけなのですぐに始めることができます。
勝敗ありorなしの2パターンで紹介します。
【遊び方】
- 2人組を作り、ボールを落とさないようにスタートからゴールまで運ぶ。
【運び方のバリエーション】
- お腹とお腹でボールを挟んで運ぶ
- お腹と背中でボールを挟んで運ぶ
- 2人でタオルや新聞紙を持ち、その上にボールを置いて運ぶ
- 大きなボールがあれば、それを抱えて運ぶなどなど
子どもたちの成長段階に合わせた活動内容を工夫しましょう。
【遊び方】
- クラス内を2~4グループに分けてチーム戦を行う
活動の流れは次の通りです。
- 2人組のリレー形式
- グループで1列に並び、先頭から1番後までボールを頭上や足の下を通して運ぶ
- 1番早く全員が運び終えたグループの勝ち
運び方のバリュエーションを変えることで、子どもの集中力が持続します。
この遊びの注意点とポイント
口で説明しただけでは子どもたちは分かりません。
イメージしやすいようにお手本を見せるようにしましょう。
【五感を刺激する】2・3歳児向けの感触あそび3選

子どもたちは、触る・握る・ちぎる・丸めるなどが大好きです。
感触あそびは子どもたちの欲求を満たしながら、五感を刺激できるあそびです。
また、なんにでも挑戦できるようになったり、想像力や表現力が身についたりします。
今回は2・3歳児でも安心して遊べるように食品を使った感触あそびをご紹介します。
共通する注意点は以下の通りです。
キレイな色がついたゼリーや粘土を間違えて口に入れてしまう子どもがいます。
衛生的によくありませんし、塊を飲み込んでしまった場合は、のどに詰まらせてしまう恐れもあります。
約束をしても理解できていない子どももいますので、活動中も補助の保育士と手分けをしながら常に全体を見守りましょう。
ひんやり気持ちいい☆寒天ゼリー
保育園で子どもたちに1番人気だった感触あそびが「寒天ゼリー」です。
様々な色のゼリーを触ることに夢中になり、にぎやかなクラスでも集中して遊ぶことができます。
寒天ゼリーのねらい
寒天ゼリーの準備方法は次の通りです。
準備をするときは以下のことに気を付けます。
寒天ゼリーの遊び方
- 寒天を観察する
- 寒天に触れてみる
- ままごと遊びをする
まずは保育士が寒天を触って見せたり、興味がもてるような声掛けしたりして、子どもの触ってみたいという意欲を高めます。
次に寒天の表面を触り、感触を確かめます。
「冷たいね」「ぷるぷるしてるね」など声をかけることで、より興味関心を引き出すことができます。
最後に「キレイな色のゼリーでお料理作ってみようか」ままごと遊びに誘い、あそびを発展させます。
握ったり、つぶしたり、型抜きや包丁で切ったりして様々な感触や表現で楽しむことができます。
ポイント
例えば、同じ色だけで遊んでいる子どもには「いろんな色を混ぜたらどうなるかな?」など興味をもって自主的に行動できるような声掛けをしてみると、表現力の幅が広がっていきます。
こねて伸ばして☆小麦粉粘土
2・3歳児にオススメなのが小麦粉粘土です。
食品を使っているので普通の粘土と比べて安全です。
小麦粉粘土のねらい
小麦粉粘土の準備物
- 小麦粉を大きめの容器に入れます。
- 色を付ける場合は、水を入れる前に粉と食紅を容器の中で混ぜておく。
- 水を少しずつ入れ、手でこねる。
小麦粉粘土の遊び方
- 子どもの想像力や表現力にまかせて自由に好きなものを作る
- テーマを決めて、それに合わせて形を作る
- グループで一つの作品を作る
雨の日をテーマにするなら、雨をイメージできるものを作るのがおすすめです。
グループで作品を作る場合は、みんなで協力できるものがおすすめです。
この遊びの注意点
分かっているとは思いますが、小麦粉アレルギーの子どもがいる場合は、小麦粉を使うのは絶対にやめてください。
不思議な感触☆片栗粉スライム
そんな時にオススメなのが片栗粉スライムです。
ぎゅっとつかむと固まるのに、手を開いたり置いたりしたらトロリと溶ける不思議な感覚に子どもたちは夢中になります。
片栗粉スライムのねらい
片栗粉スライムの準備物
- 片栗粉と水を1:1で混ぜる(水は少量ずつ入れて混ぜる)
- 色をつける場合は、食紅を適量入れる
汚れるので、机にビニールシートを敷いて準備しましょう。
片栗粉スライムの遊び方
- 直接手で触ったり握ったりして感触を楽しむ
- スプーンやコップですくってみたり、上からたらしたりする
- 色を混ぜて色の変化を観察する
- 袋に入れて触り感触を楽しむ
片栗粉スライムの注意点
片栗粉スライムは、必ずといっていいほど服を汚してしまう子どもがいます。
製作用のスモックを着用したり、保護者に汚れてもいい服を準備してもらったりしましょう。
また、食紅を入れすぎないように注意しましょう。手についた色が取れにくくなってしまいます。
2・3歳児の室内あそび【まとめ】

2・3歳児になるとできることが増えて、室内で楽しめる遊びの幅が広がります。
今回は保育園で人気のある遊びを紹介しました。
保育ネタの1つとして、あなたの保育に役立ててください。
子どもの様子や月齢に合わせて活動内容を考えてみてください。
以上、2・3歳児の室内あそびでした。
あなたの保育士ライフが充実したものになりますように。